ここちの郷の一角の畑を「ここアグリ」と名付けて、ご利用者様と一緒に野菜を植えている。
今年の春~秋には、なすび15キロ、キュウリ30キロ、トマト10キロ、サツマイモは40キロを収穫した。
農作業にチンプンカンプンな若い職員に「もっと間を空けて植えなあかんがな。」「これはそろそろ収穫やな。」と、植え付けから水遣り、草むしり、そして収穫までご利用者様が師匠となっての作業である。
収穫した野菜は、厨房への寄付は勿論、ご利用者様参加での昼食作り、オヤツ作り、漬物作り、最後は手作業の材料にまでして余すところなくいただいた。
ご自宅に畑をお持ちのご家庭も多い土地柄、土を触ることを楽しまれるご利用者様も多い。いつもはリハビリに消極的なご利用者様も「水遣りをお願いします。」とお声掛けすると「じゃあ、トイレに行ってからやな。」と自ら段取りして下さる。草むしりしながら昔の話をして下さり、調理では調味料を計量カップで測らずとも、「何年主婦やってると思ってるんや。」と絶品を作って下さる。
私たちが畑作業から教えていただくのは、農作業のノウハウだけではない。いかに「生活」を継続することが大事か、ご本人の力になるか、である。そして、その力の継続への支援はひとつではなく、多様な形があるということである。
夏野菜の収穫が終わった畑は整えられ、早速冬野菜が植えられた。大根、ほうれん草、里芋、これらもそろそろ収穫が近づいてきた。