社会福祉法人六心会特養清水苑(せいすいえん)は五個荘川並町に在る。
苑の傍には清水苑の由来となった湧水「淵ヶ井(ふちがい)」がある。一時枯渇していたが、清水苑と川並の人たちが力を合わせて復活させ、共に護り、磨きをかけてきたものであり、暮らしの癒しになり、“宝”になっている。
第2次五個荘地区住民福祉活動計画推進委員会のメンバーは、昨年度、五個荘地区に27あるほとんどの自治会を廻り、自治会ごとに暮らしの現状と課題、そして大切に護ってきた営みである“宝”を聞き取ってきた。
その内容を読み進むうち、経済学者の故・玉野井芳郎先生の一文を思い出した。先生は、地域は「生活者」という「日常的責任を持って生活している人たち」が「土と水から成る日常性の生態的生活環境の中で、生命を生み出し、生命を育て,生命を守っている」場であるという。
五個荘地区が大切にしてきた“宝”を想う。五個荘の「生活者」たちの悠久の営みを想う。
現下の新型コロナウイルスの感染拡大は、生活者の暮らしの営みを根源から揺さぶる。生み出される不安は空気を不穏にする。
しかし、地域には力がある。五個荘には生活者という“宝”がある。
コロナ後の世界でも、清流は輝き続ける。
清水苑は五個荘川並町に在る。
六心会 地域支援担当 奥村昭