リカレント教育を受けて

私が「えにしアカデミー」を修了してから、まもなく一年が経とうとしている。

「えにしアカデミー」とは、コロナ禍だった令和310月に滋賀県社協が創設した福祉従事者向けの学びの場である。講師陣には名立たる研究者が並び、受講生は県内の福祉現場従事者、市町社協職員、自治体職員など様々。2年にわたって、地域福祉関連講義を軸に、俯瞰力・リーダーシップ・課題解決力といったスキルを養うことを目的としている。

私は、第1期生として入学し、大学以来の学習サイクルに挑んだ。とはいえ、働きながらの学びは想像を超えたハードワークの連続。仕事に追われている時期の学習は、手につかず心が折れそうな時もしばしばあった。ほぼ毎週のゼミ・講義に参加し、期限までにレポートを提出。最終的に研究論文を仕上げ、やっと提出し受理された時は、達成感というよりは大きな安堵感を感じた。

苦労を重ね学んだ2年間が、今後どのように自分の中で熟成し、思考や行動の変化をもたらすかは現時点でははっきりとわからない。ただ、自分の役割がおぼろげながら認識できたことは人生の中で大きな収穫だ。

自分の役割は「他者の幸せを追求して実現する為の活動を行うこと」。福祉専門職として、また組織管理者として、そして滋賀の福祉人マスターという肩書きに恥じぬよう、これからも日々精進していきたいと思う。

きいと施設長 高口誠