「話す」「聞く」「食べる」を支えます!

この春、法人で初めて、言語聴覚士(ST)を採用しました。言語聴覚士は理学療法士・作業療法士と並ぶリハビリテーションの専門職。ことばによるコミュニケーションや食べることに関して支援します。私たちの生活において、「ことば」によって気持ちや考えを伝えあい、生命維持のために「食べる」ことは欠かせません。しかし、様々な疾患や加齢により、言葉を発したり、食べ物を飲み込む機能が弱くなっていくことがあります。このような場合の支援で中核的な役割を果たすのが言語聴覚士です。

「ことば」によるコミュニケーションには、思考や感情に刺激を与え、その人の能力を引き出す力があります。また、相手の話を受け入れ、寄り添うことで安心感や満足感を与えるという効果もあり、人間関係の構築と発展は、人にとって非常に大切な価値です。「うまく話せない」「うまく聞こえない」といった症状をもつ方が抱える問題の原因を探り、一人ひとりに合った練習や周囲の方へアドバイスを行い、「ことば」によるコミュニケーションを続けられるように言語聴覚士がサポートをします。

また「食べる」ことにまつわることも支援します。私たちにとって「食べる」ことは、栄養補給のみならず、ご家族や仲間と一緒に食事をする時間そのものがコミュニケーションの場。それが人とのつながりや社会参加になり、生活に豊かさをもたらします。食べるために必要な認知、咀嚼、嚥下、姿勢などの機能を評価し、調理方法(食事形態)や食べるペース、介助方法などのアドバイスを行い、好きなものを美味しく安全に食べることはもちろん、精神的な健康やQOLをサポートします。

入職から3か月。法人3施設の各専門職と連携し、ご利用者ごとの状態観察とケアの検討に取り組んでいます。観察の視点を共有し意見交換することで、知識・技術の再確認ができ、職員のスキルアップにも繋がっています。今後も、専門職が互いに学びあい、連携することによって、ご利用者のかけがえのない時間を支えていきたいと思います。

ここちの郷 老健生活課課長 小菅知子